午年と馬

  • 副院長ブログ

ポニーテールの話


来年は午年です。
馬という言葉から思い浮かべるものは人それぞれだと思いますが、
私にとっての馬のイメージは、少し意外かもしれません。
力強く駆ける姿よりも、まず浮かぶのは「ポニーテール」です。
高校生になったら、ポニーテールで通学する。
それは中学生の頃、私の中にあった憧れでした。
当時は校則で、髪を結ぶ位置は耳より下と決められており、
高い位置で結ぶことはできませんでした。
理由を深く考えることもなく、「そういうものだ」と受け止めていたように思います。
高校生になり、その制約がなくなったとき、
ポニーテールにしましたが、たからといって、何かが劇的に変わったわけではありません。

それでも、「自分で選んでいい」という感覚は、確かにありました。
ポニーテールは、私にとって自由そのものではなく、
選択肢が増えたという実感の象徴だったのだと思います。
当時は、大人になればもっと自由になるのだろうと、漠然と思っていました。

ところが実際に大人になると、
自由は増えるどころか、別の形の制約が増えていくことを知りました。
立場、役割、責任、周囲からの期待。
「こうしたい」よりも、「こうあるべき」が優先され、
自分の気持ちを後回しにすることが、いつの間にか当たり前になっていきました。

子どもや大人の少し前のみなさんへ。
すべてを自由にする必要はないけれど、
小さな選択を、自分の手にする経験は、とても大切です。
「どう感じたか」「何を選びたいか」を、健康的に大事にしましょう。

児童・思春期の時期には、「守られている安心を感じること」と同時に、
「選べること」を意識して暮らしてほしいと思っています。
大きな決断でなくて構いません。
服の色、話すタイミング、気持ちの表し方。
小さな選択の積み重ねが、自分の感覚を信じる力を育てていきます。
その感覚は、大人になり、
役割や責任の中で身動きが取りづらくなったとき、
自分を見失わずにいられる、結構強い支えになります。

この年齢になって、ふと
「髪を紫に染めることがあってもいいのかもしれない」
と思うことがあります。
実際に染めるかどうかは別として、
そう思えること自体が、今の自分にとっての自由なのだと思います。

若さゆえの自由ではなく、制約を知ったうえで選び直す自由です。
制約の中にいても、選択肢を思い出せることですね。

馬のように、勢いよく駆けまわる脚力はありませんが、
クリニックに来てくださる「人」と共に歩き、待ち、呼吸を合わせることはしたいものです。
(息切れしないようにします。)

どうか皆さま、良いお年をお迎え下さい。

初診・その他のご相談 お問い合わせお問い合わせ
トップに戻る