ご相談で最も多いのが「学校に行けるようにしてほしい」というお声です。
この点について、当院の治療方針を示させていただきます。
受診を決める際の、参考にしていただけると幸いです。
当院は、「学校に行けるかどうか」を回復の軸にしておりません。
学校復帰を、大切な選択肢のひとつとし、「学校に行けるようにする」ことの前に、
「お子さまが健康を取り戻す」ための治療を行います。
まずは、十分な休息・睡眠・栄養を摂ることができるように、生活を見直します。
そして、不登校の背景にある、ストレス、発達特性、トラウマなど、
さまざまな要因を踏まえ「他者を信頼する力と、安心感の回復」を目指していきます。
そして、「休んでいればいいんだよ」という姿勢でもありません。
お子さまの状態に応じて、慎重に、「自分の気持ちや困っていることを少しずつ整理しよう」
「周囲と相談できるようになろう」「これからどうするかを一緒に考えよう」と、展開していきます。
最終的な治療目標は、お子さまの、
「健康的な自己選択と自己決心と自己責任の力の萌芽」であり、
「自分の学校復帰や他の進路について、前向きに話し合えるぐらいに元気になること」です。
治療には、こまめな通院が要りますし、変化はゆっくりで、長くかかることが多いので、
今はお薬が必要だと判断したら、率直に、服用をお勧めし、早期の進展を試みています。