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人としての成長を目指せる病院
- 副院長ブログ
『「できる限り、年齢相応の健康的な生活レベルの確立や人としての成長を目指す」ことを
最終的な目標とし、その流れの中に治療が存在する』と謳われている、
医療法人更生会草津病院さまが、8月に“こころホスピタル草津”として、
新たな一歩を踏み出され、お招きいただいたので、内覧会に参加しました。
大変感動したので、こちらの病院の「保護室」について紹介いたします。
保護室は、精神症状によって患者や周囲に危険が及ぶ可能性がある際、
安全を最優先に隔離するための部屋です。
そのため、例えば、トイレや寝具の配置、窓の格子や扉の施錠、私物の持ち込みなど、
患者さまの自由や快適さには一定の制限がかかるという難しさもあります。
しかし、
瀬戸内の島々。広がる海と空。
その二つがつながる彼方を一望できる大きな窓。
明るい日差し。
外の騒がしさは届かず静か。
街(社会)との程よい距離感。
部屋に入った瞬間、安堵に包まれる。
これが、こころホスピタル草津 の、「保護室」なのです。
こちらの保護室に入った私の感覚は、
学生時代に実習を終えた後、
奮発して泊まったホテルの部屋に入った時の感覚と似ていました。
実習中、私は、タイトなスケジュールをこなし、ミスで迷惑をかけたり、
不甲斐なさに泣きそうになったり。
けれどもここでやめると取り返しがつかないような、
だからとにかく奮い立たせていた日々であったので、無理をしていました。
それで、ホテルの部屋の、豊かな景色や落ち着きが、
誰の目も気にせず、自分の時間を過ごしてよい環境として作用し、
私は一晩ゆっくりした後に、翌日には元の生活に戻ることができました。
こちらの保護室を利用する患者さまも、
「あぁいい天気だ」「おや、あの雲は綿菓子のようだ」
「やぁ、船が行き交っている 行き先はどこだ?」
「雨が降っているな、上がると虹が見えるかな」と、
そんなふうに、窓を覗き、安全に守られ、休息しながら、
回復に向かっていかれるのではないかと思います。
もちろん、入院治療はホテル滞在と異なりますが、
心身が疲れた時に必要なのは、
その人の安心と健康のために、刺激を調整できるところです。
こころホスピタル草津の保護室はまさにその治療環境を提供していると感じました。
「一番景色の良い部屋を保護室にしました」
「家庭用のシャワーや浴室のようにして、比較的自由に使えるようにしました」
「4人部屋は廊下側のベッドの採光が暗くならないように工夫しました」
「冷蔵庫は一人ひとつ用意しています」
「ナースステーションは開放型で、いつでも外から患者さまが話しかけられます」と、
理事長で院長の佐藤先生が説明をしてくださいました。
細部に至るまで、患者さま一人ひとりを大切に思う心が込められています。
こころホスピタル草津は、
「入院して治療したいな。よくなって、また、暮らせるようになるかもしれない。」
そのような希望を、抱いていける病院だと思いました。
見学をさせていただき、ありがとうございました。